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プレスリリース
「改善されない国際協力銀行の「現地」環境調査――住民グループの主張をJBICは理解できたのか?」
(2005.12.19) |
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改善されない国際協力銀行の「現地」環境調査
――住民グループの主張をJBICは理解できたのか?
12月6、7日の2日間、東京から国際協力銀行(JBIC)の環境担当者およびサン
ロケダム事業の融資担当者、合わせて4名がサンロケダム事業の影響地域を訪れ、「現地」モニタリングを行いました。年2回、定期的にJBICが行なっている同事業の「環境・社会問題」に関する「現地」環境調査ですが、今年6月に続き、今回も「2日間」という短い「現地訪問」で終わってしまいました。
また、「現地で」環境・社会問題の現状を把握するための調査としては、あまり
にも杜撰なのではないか、という一面も見られました。
「現地」調査の2日目、JBICは、同事業で影響を受けた砂金採取者への補償措置
がうまく進んでいるかを把握するため、「事業者と住民グループが話し合う場」
の設定を事業者に事前に依頼しており、当日、その会合に「オブザーバー」とし
て参加しました。
しかし、会合は「事業者と住民グループが話し合う場」としても、「JBICが『現
地で』地元の状況・問題を把握する場」としても、非常に中途半端なものでした。
主な原因の一つには、言語があげられます。フィリピンでは、フィリピノ語およ
び英語が公用語とされていますが、サンロケダムの影響地域では、イロカノ語が
日常生活の中で最も広く使用されており、議論の場でも、住民が最も好むのはイ
ロカノ語です。(フィリピノ語での議論も問題ありませんが、住民のフォーラム
などでもフィリピノ語で行なわれる場合、住民の発言数が減る傾向にあります。)住民が英語を完全に理解するのは非常に難しく、現に、これまで何度も行なわれてきた「事業者と住民グループの話し合い」もイロカノ語とフィリピノ語が主に使用されてきました。
それにもかかわらず、今回の会合での住民以外の発言者(事業者など)は、JBIC
の出席もあったため、全員、主に英語を使用。住民グループがしっかりと議論の
内容を理解し、交渉するには不十分な場でした。
一方、住民グループ側は、英語を他の住民よりも理解できたであろう代表のみが、発言をできる状況で、その発言も、イロカノ語とフィリピノ語で行なわれたため通訳を準備していなかったJBICが、住民グループ側の主張を十分に理解できたのか、非常に疑問が残りました。
会合では、補償措置を受ける「砂金採取者の数」について、「999家族」と主張
する住民グループ側に対し、事業者が「456家族」のみと譲らないなど、両者間
での認識の違いが明らかとなり、かなり紛糾したものとなりましたが、JBIC自身
は、その場で、一切、発言も質問もせず、文字通り「オブザーバー」に徹してい
る状況でした。
会合の終了前には、こうした砂金採取者の認定者数の問題も含む、さまざまなサ
ンロケダムの問題点を指摘し、適切な対応を求める「ポジション・ペーパー」が
住民グループからJBICに提出されました。このポジション・ペーパーは英語で書
かれており、JBICが住民グループの意見を理解する一助になるでしょう。
しかし、他方で、JBICは、フィリピンでの言語状況を考慮し、少なくとも、現地
での会合の場では万全の通訳体制を整える努力をすべきではないでしょうか。事
業者と住民側の話し合いに参加し、会合の内容をその場でしっかりと把握・フォ
ローできないのであれば、後に東京で英語の報告書・議事録を読むだけで足りる
はずです。
JBICは、今回の「現地」環境調査の中で、同事業によって移転を余儀なくされた
住民の一部(750世帯強のうち、約280世帯)が生活を続ける「再定住地」4箇所
も訪問しましたが、今回の調査体制を見ていると、その再定住地の訪問で、どれ
だけの有益な情報を住民から得られているのかにも疑問が沸いてきます。
FoE Japanでは、これまでも、JBICの「現地」環境調査について、問題を指摘し
てきましたが、今後もこうした調査体制の改善を求め、現地での問題が適切に解
決されるよう、働きかけていきます。
※12月7日に住民グループがJBICに提出したポジション・ペーパーは、こちらでご覧ください。
→http://www.FoEJapan.org/aid/jbic02/sr/pdf/20051207a.pdf
TIMMAWA 「サンロケ多目的ダム事業の建設と操業、および、
破壊された土地と失った生計手段の補償に関するポジション・ペーパー」
※12月7日の会合における主な問題点については、こちらでご覧ください。
→http://www.FoEJapan.org/aid/jbic02/sr/pdf/20051207b.pdf
FoE Japan 「砂金採取の補償措置に関する現地での会合の問題点」
※ JBICの環境モニタリングに関するこれまでの情報
2004年8月5日、改善を求める要請書をFoE JapanからJBICに提出しています。
→http://www.foejapan.org/aid/jbic02/sr/letter/20040805.html
FoE Japan 「フィリピン・サンロケダム事業のモニタリングに関する要請書」
また、2004年10月、JBIC現地環境調査が行なわれた際にもその問題点を指摘しています。
→http://www.foejapan.org/aid/jbic02/sr/press/20041015.html
FoE Japan現地レポート 「サンロケダム 問われるJBICの責任とモニタリング方法」 |
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